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砂の海

一冊10円と書いた人に申し訳ないような値段で購入した「砂の海 楼蘭・タクラマカン砂漠探検記」。

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著者は椎名誠、この人もこれまでに世界各地色々なところを旅していますが、今回の舞台は中国が奥地、モンゴルやカザフスタンに近い「楼蘭」。

楼蘭

話のメインはもちろんこの「楼蘭」となるのですが、本著ではその奥地の入り口に到達するまでが長いのも特徴。そこには地理的な理由というのも多分に存在しますが、それ以外にも、今以上に強い共産主義、機密主義に裏打ちされた中国の理不尽さといったモノも大きく関係しており、この本の早い段階で今回の旅が大変なものであることを予見させます。

一方、内地にたどり着いてからの旅は苛酷そのもの。本著の冒頭にもカラーで写真が幾つか掲載されているのですが、そのどれもが荒涼殺伐とした風景ばかり。見方によっては、生命のほとんど感じられないこれらの写真も美しく思えるかも知れませんが、いざ実際に旅をすることが出来るかと問われれば「無理です」と即答するレベル(^^;)

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紀行文といえば、やれ風景がどうだの食べ物がどうだのなんてことが主に書かれるわけですが、ここでは砂漠や荒地が延々続くだけ。食べ物も中国製のやたらと錫の溶け出した缶詰に噛みちぎるのさえ難しい、まるで石のようなパン、しかも砂埃というおまけ付き。

こういう状況に置かれたら、例えばもし自分が作家だとして果たしてどんなことが書けるだろうか。色々と頭をひねって考えてみたのですが、「暑い、マズい、帰りたい」で終了。原稿用紙10枚はおろか5枚、いや1枚書き切ることすら難しいような気がします…


そんな中この筆者はそうした愚痴に走らず、詳しく分かりやすく、時に叙情的な表現で風景を描写。一部適当に抜粋させていただくと、

空と地平は薄紫色の霞のようなものに茫々と溶けてまじりあい、強い陽光の下にじっと息をひそめ、ある種の威武をもってひたすらひろがっている巨大な海のようにみえた。


道の両端に立ち並ぶ背の高いポプラの木が梢のあたりをわらわらと揺さぶり、吹いていく風がポプラの葉裏を白く光らせる。走っていく我々の車列の前で羊の群れが面倒くさそうに道ばたに身を寄せ、大きなニワトリがくわくわくわとえらそうにトサカをふりたてながら横切っていく。犬が吠え、風がまたその上を走った。オアシスはまさしくいたるところに命があった。


二千年の時をへだてても、なお地表に残っているこうした“楼蘭人”の生命のしるしは、強い陽ざしと風の中で力強く、静謐であった。


これまでにパタゴニアや熱風大陸、シベリア追跡など同著者の紀行文を読んできましたが、その中でも特にこの作品はこういった風景描写に優れている印象。いつものバカセコエッセイと同じノリで読むと、「これ、本当に同じ人が書いたの?」なんて思うはず(笑)

物語の舞台は寂寥と不毛の広がる大地、読む前はそのような場所ではさして話も広がらないだろうし、退屈な内容になるだろうなんて思っていたのですが、これがなかなかどうして。
逐一詳しい描写のおかげかその風景をありありと思い浮かべることが出来、読み進めば読み進むほどページをめくるスピードも増し、気が付けばあっと言う間に読破。
真面目な文章だけでなく、エッセイ等でもお馴染み、この作者独特のくだけた言い回しも要所要所に散りばめられ、読みやすさにおいても十二分。

何か紀行文で手軽に読みたいという方にオススメの一冊です。


<柔道>谷亮子議員が競技引退を発表 「今後は国政に尽力」(毎日新聞)

「やります、出来ます」→「やっぱり出来ませんでした」の流れが、これまでの党の動きとそっくり。ある意味でホントお似合いの組み合わせだったんでしょうけど。

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