FC2ブログ

SUPER EUROBEATvol.214レビュー

リンク用まとめ記事です。

seb214_20110503235043.jpg


1.BECAUSE OF YOU/ JAGER B
(S.CASTAGNA-C.CODENOTTI-F.CORDIOLI-E.SOMENZI)
SEBvol.204収録I WON’T FALL APARTでデビュー後、同年リリースのSEBvol.209にはWHAT D’YOU WANT FROM MEも収録されたJAGERさん。
ここまでの2作品、BLAST!時代のMIKE SNAPやSAETTA KIDと比べるとやや捻った作風なのが特徴でしたが、続く3作目もその流れを汲んだ捻り路線。

こちらのオープニングはいきなりテンションの高いタイトルコールに始まり、インパクトは十分。しかしその後はハイハットとキックメインのパートが続き対照的に静かな作り。
それでも変わらずヴォーカルはグルグルと周り、前半と比べハイハットの足並みが揃い始めた辺りからだんだんと調子上向き、一度流れを断ち切った後にグイーンと伸びるようなフレーズと挟んで一気にリフを展開。

そんな直前の加速もあってリフはこれまた勢いがあるのですが、しかしこれが、うーん…と言うか。使われているシンセ含め以前にリリースされたLEGENDARY HEART/ HOTBLADE(SEBvol.211)と同系統の作りで、派手さにおいては申し分ないのですが、ただ本作もまたSCP的つまらなさが付いて回るのが難点。

この辺りの感覚はSEB140~150番台の、例えばWORK YOUR BODY/ DAMONなどに対するモノとほとんど変わらず。これだけ経っているのにも関わらず同様のものを感じるという点では、これもある意味で非常にそのレーヴェルらしい個性とも言えるのですが、そうは言っても個人的にはもう少しメロディ方面や奥行きにも気を配って欲しいな、と。

やや一本調子の感のあるリフに対し本編は起伏に飛んだメリハリのある作り。囁くようなAメロに始まり、続くBメロ前半はエフェクトのせいか、はたまたコーラスのせいなのか無機質さが漂う作り。
後半にかけてだんだんと勢いを弱め、果たしてこの調子のままサビまで持っていけるのかと疑問に思うも、ここはイントロ同様、一度流れを止めた後にスパッと切り替えて間髪入れずにサビを展開。

このBメロで一度減速した後にサビを続ける構成は、ここ最近のSCP作品の王道パターン。
ベタと言えばベタですが、サビに勢いを付けるのにはうってつけ。

本作も実は1コーラス目と2コーラス目とで微妙に各パートの内容、尺が異なっており、特に1コーラス目のサビに関しては「えっこれだけ?」なんて思ってしまうような短さなのですが、二回し目は一般的な長さなので無問題。
ほとんどがタイトルコールで埋め尽くされ、正直こちらももう一工夫欲しいという気持ちも無くは無いのですが、Bメロ後半のタメもあって勢いバッチリ。またそのタイトルコールも日本人にも聞き取りやすく、字面で見る以上にキャッチー。

あとはとにもかくにもリフ。別段このJAGERさんに限った話ではなく、他のSCP作品全般に言えることですが、この曲の入口部分で損をしてしまっているのが勿体ないなぁ、と。



2.SKYLINE/ LESLIE PARRISH C
(MATTEO RIZZI-LUCA TORCHIANI)
前回SEBvol.212では出番の全くなかったDELTA勢ですが、今回はこのLESLIE PARRISHとCHERRYという正直あまり代わり映えしない(ヴォーカル的に)2名義が参加。
GELMETTI絡みでこのままフェードアウトするんじゃ…なんてちょっと心配していたのですが、次回も収録されるようなので一安心。

オープニングはキラキラとした音色に始まり、なんだか儚げな雰囲気。その後しばらく経ってから軽めのエフェクトを掛けたヴォーカルが登場し、少しだけ勢いを強めた後に裏声気味のタイトルコールと踏んでリフへと移行。

今回のリフは、直前のやや抑え気味の空気を引き継いだような格好となっており、メロディはRIZZIさん絡みらしい捻ったものではあるものの全体のインパクトは弱め。
またBPMで見ても去年リリースされたYOU ARE MY WONDERやYOUR BARBIE GIRLと変わらない値(155)であるにも関わらず、それほど疾走感が感じられないのがネックで、上記と異なりあまり魅力を感じないというのが正直なところ。

ヴォーカルを務めるのはもちろんMORONI。やや控えめさが目立つリフに対し、こちらヴォーカルパートでは時たまそれを覗かせつつも、しかし基本的には力強く進行。
バックトラックをうまく味方に付け、Aメロでは自由奔放に、しかしBメロに入れば足並み揃えて突き進み、そのまま滑り出すようにサビを展開。

そのサビもヴォーカルの叫びに合わせるようにギターを流し、それまでのテンポの良さに更に賑やかさをプラス。またサビパートの締めにはイントロラストでも見せた裏声叫びが登場し、緩急付けたメリハリのある仕上がりに。

あとはリフがもう少しスピード感のある作りであれば。
それ以降のヴォーカルパート、中盤以降のサビ半インスト+ギターは◯。



3.THE MAGIC I FEEL/ APRIL B
(S.CASTAGNA-C.CODENOTTI-E.SOMENZI)
もう既にAPRILじゃないんだけど、なんて10人いたら8人ぐらいツッコミそうな気がしますが(笑)ギリギリ4日間に合わなかったAPRILのナンバーはSEBvol.196収録のHANAMIに続く作品。

こちらのイントロは妙なエフェクトを掛けたヴォーカルを軸に、素早くテンションを上げていく構成。中盤辺りで一度ベースが引っ込み、代わりに変声ヴォーカルが際立つパートが展開されますが、そのまま落ち着いてしまうなんてことはなく一気にリフをスタート。

でリフなんですが、今回はSCPにしては珍しくメロディがしっかりしているんですよね(笑)1曲目のJAGERさんの曲でも触れましたが、これまでSEB140番台あたりからずーっとシンセ頼みの、飽きの来るのが早いリフばかり続きましたが、本作ではその点が幾らか改善。
リフも掴みの部分はいつも通りですが、中盤、後半と少しメランコリックなメロを混ぜ、決して一本調子ではない、変化をしっかり付けた仕上がり。力強いシンセと合わせ聞き応えがあります。

ヴォーカルパートなんですが、うーん、どうもこのエフェクト声に馴染めないというか。
これはユーロビート以外のジャンル含めてなんですが、こういうエフェクト声を聞いていると、どうしても「自分の地声で正々堂々、きちんと勝負せぇ!」なんて思ってしまって(笑)
馴染めるまではもう暫くかかりそうです。

そうしたエフェクトを抜きにすると割と正統派な構成で、マイナーなAメロからシンセを伴い力を溜め、伸びやかなBメロ前半→後半ではここ最近お約束の一度勢い弱め&タメを作った後に一気呵成にサビを展開。
リフだけでなくサビメロにも気を遣っている感が窺え、こちらも単調さとは無縁。壮大で奥行きのあるサビを堪能することが出来ます。

ヴォーカルには多少抵抗はあるものの、改善されたリフ、そしてサビにかけての盛り上がりと聞き所をしっかり抑えた作りでお気に入り。今度こそ名前も覚えました(笑)



4.RHYTHMYSTICALTYCIOUS/ LOLITA A
(S.OLIVA-A.GATTI-E.GOBBI FRATTINI)
SEBvol.212ではVIRGINELLE名義でBABY COME BACKをリリースした彼女ですが、LOLITA名義でこちらの作品をリリース。見るからに覚えにくいタイトルで私なんかもう既に曲名覚える気ゼロだったりするのですが(笑)、そんなことお構いなしに彼女は歌い上げます。

収束音の後には情感のこもった語りが入り、どこか演劇ちっくなイントロで始まる本作。
一連のやりとりの後には厳かな雰囲気の中エフェクト掛けヴォーカルが誘われ、しかし間髪入れずギアを入れ替え、いつもの張り裂けんばかりの美声に変身&リフを展開。

本作のリフは、同レーヴェルのPEOPLE OF THE WORLD/ GO GO GIRLS(SEBvol.189)にも似た作り。BPMは142と疾走感はありませんが、ゆったりとしたリズムながらも、まるでメリーゴーランドのような浮遊感、楽しさを持ち合わせているのが特徴。
音もお世辞にも厚みがあるとは言えませんが、ただ軽さや薄さなどを心配するような音色でもないため、その点に関して特に心配することなく楽しめるリフに仕上がっています。

でヴォーカルパートですが、少し前にEURODANCE収録I LIKE IT/ LENNY GIBSONのレビューでも触れたことですが、テンポを抑えた分だけ彼女の歌声が際立ち、いつも以上に作品をグイグイ牽引。

大胆な切り口のAメロから多少低く抑えたBメロ前半、しかし後半にかけては上昇し始め、ついにサビでは持ち前の人間離れしたハイトーンヴォイスが炸裂!
楽曲の隙間という隙間を埋め尽くす彼女の歌声はまさに圧巻の一言。個人的にミドルテンポより高速路線の方が好きなので、今回も聞く前はどこかで「もっと早いテンポで攻めて欲しい」なんて思っていたのですが、しかしこれを聞いたらそんな思いもどこへやら(笑)
改めて言うことではないかも知れませんが、やっぱり彼女は凄いですね。

また今作では久しぶりにサビ+αパートも収録され、その後に続く変型サビと合わせ、これまた存分にヴォーカルを堪能できる曲構成。
どうも唐突な感じで終わるアウトロと最後まで気の抜けないところも◎。



5.PASSPORT TO DANCE/ EURODUDES AAA
(A.LEONARDI)
ノリにノッてるSINCLAIRE STYLEからお次に登場するは何やら見慣れないEURODUDESなるユニット。ただ見慣れないと言ってもヴォーカルを務めているのはあの人で、今回も高速BPMに合わせて激しく攻め上げるスタンス。

こちらのオープニングは、曲の途中でターンテーブルを止めたような伸ばしフレーズからのスタート。そんな音が響く合間を縫って奥の方からヴォーカルが迫り、しばらくするとVU振り切れ状態のキックと歩調を合わせ、とてもイントロとは思えないほどの勢いを以て荒々しく進行。

そんなイントロを受けて始まるリフもこれまた荒々しく、音だけ聞くとTOO YOUNG TO FALL IN LOVE/ DEJO(SEBvol.193)と変わらない丸みを帯びたシンセではあるのですが、しかし迫力は段違い。
終始その弾力のある音色が躍動し、力強さはもちろん、疾走感もついでにプラス。数値で見れば2曲目のSKYLINEと1しか違わないのですが(156)、しかしこちらの方がよりスピードといったものを実感できる仕上がり。

リフが終わってもその迫力は途切れず、Aメロ、Bメロ、しまいにはサビまでそれを維持しているのがミソ。ライナーでも言われているようにEUROBEAT/ DR.LOVEを彷彿とさせる歓声が何箇所にもインストールされ、賑やかさに関しては言うに及ばず。
対してヴォーカルもそんな歓声群に一歩も引くこと無く歌い進め、パートを追うごとに躍動躍進。サビでは若干バックに飲まれ気味ですが、それでも完全に飲まれてしまうこともなく、ギリギリのところで踏ん張って歌ってくれるので無問題。

路線的にはDELTA期のMASTER POWER/ D.ESSEXやDA BURNING TOKYO/ TOKYO FUTUREに近いでしょうか。ただそれらと比べてしっかりした(し過ぎな)音色に支えられているためヴォーカルだけがいやに目立ってしまうなんてこともなく、「音が軽いのが残念…」なんてボヤくこともなく楽しめるはず。

音割れに関してはもう少しどうにかならなかったと思いつつ、でも曲に関しては120点満点。WHEELPOWER&GO!/ DEJO&BON以上の迫力と力強さ、アグレッシヴ楽曲が好きな人なら文句
なしに気に入るはず。オススメ。



6.BOOM BOOM SCREAM/ DOMINO&SCREAM TEAM A
(S.CASTAGNA-C.CODENOTTI-A.GATTI-E.SOMENZI)
HORROR FANTASYでお馴染みのSCREAM TEAMとGGMのDOMINOとレーヴェルの垣根を越えたコラボナンバー。DOMINOもSCP経由ではFUKU WA UCHIを、また別レーヴェルとの合作ではSUPER MEGASTARS(&NIKO)をリリースしていますが、SCPのアーティストと一緒になってとなるとおそらく今回が初めて。

前置きもそこそこに曲について話を移しますが、これまでにない組み合わせながら相変わらずブレないと言うか、いつも通りと言うか。過去作品同様の怪しいオルガン伴奏でスタートする本作。
妙な笑い声でお笑い方向へ持って行ったかと思えば、タイトルコールやまたしてもALL 4 ONE/ DAVE SIMONっぽいフレーズと登場し、様々な方向へ風呂敷を広げつつも、基本的には冒頭の
ノリそのままでの展開。

三度登場のタイトルコールを踏んでから始まるリフは、DELTAのYES I WILL/ CHERRYと言うよりはTIMEのVAMPIRE/ ROBERT PATTONと言った方が伝わりやすいでしょうか。
最近のSCP作品とはまた異なるシンセで構成されたリフは、どちらかと言えばチープ。
厚みとか奥行きといった一切の要素をかなぐり捨てて、骨組みだけがヘロヘロと踊っているような作りではあるのですが、それでもリフそのものの面白さでは最近の楽曲の中では随一。

ある種の開き直りとでも言いましょうか。いつもの作品同様、小手先な部分は変わっていないのですが、チープな音色のおかげで恒例の飽きを感じることもなく。
他ではあまり聞くことのない怪しい曲調、時折激しく鳴り響く木琴のようなフレーズとあって最低限の賑やかさ、そして高い中毒性を兼ね備えた作り。
最初は「なにこれチープじゃん」なんて馬鹿にしていても、最終的に夜寝る前に思い出すのはこの作品(笑)一度聞けばしばらくグルグル頭の中を回ります。

ヴォーカルパートはDOMINOがメイン。言っても彼女の参加が何かビックリするような化学反応を引き起こしたわけでもなく、そこのところで若干拍子抜け。
それでも全編ソツなく歌いこなし、また彼女以外にも作品の至る所に登場する女性コーラス(SCREAM TEAM?)にダミ声コーラス、エフェクトやサンプリングと次々と加わり、当初の拍子抜け分はすっかりカバー。
過去作品と比べ疾走感では確かに劣りますが、賑やかさ、小技の利かせ方ではこちらに軍配。

Bメロでは、おそらくはDOMINO発案の“ドキドキ~ワクワク” を皮切りに加速し、また後半にかけてはコーラスに主導権を譲り減速→タメを作ってサビを盛り上げるお馴染みの構成。もちろん今回も作品のメリハリに大きく貢献。
続くサビは唯一、ホラー要素の抜けるタイトルコール部分が退屈ですが、中盤以降おどろおどろしく盛り返してくるので無問題。
ふざけた女性コーラスに煽りを入れてくるダミ声コーラスと脇役達の活躍も光り、怪しくも楽しいサビに仕上がっています。



7.BABY GO/ THE FRISBEES C
(A.GILARDI-DAVIDE DI.MARCANTONIO)
こちらも見慣れない名義ですが、リリースはDIMA MUSICから。FRISBEE“S”と複数形なところからも分かるように、今回は男女ふたりがヴォーカルを務めており、以前のDAVID&TOYやDAVIDfeat.LISAとはまた違う掛け合いが楽しめる仕上がり。

イントロは乾いたフレーズがカランカランと響き、その後は南国をイメージさせるようなのんびりとしたパートを展開。今回はこのままハワイアンなユーロを展開?と思うも、後半にかけてはギターを交えつつだんだんと加速。
更にはダミ声煽りフレーズも加わり、冒頭ののんびりムードから一転、急速に忙しなく動きつつリフに突入。

一呼吸置いてから始まるリフなんですが、どうも構成するシンセが硬いのがネック。SEB150番台のA-BEATや190番台前後のGGM楽曲のそれに近く、合間合間にDIMAらしいうねりフレーズは挟むものの、全体で見れば淡白でちょっと取っ付きにくいリフに。
リフそのものは元気いっぱい、ミーハー路線で展開しようとしているのですが、この硬めシンセとの相性は今ひとつ。

ちぐはぐなリフに対し、ヴォーカルパートも中途半端さの否めない内容となっており、おそらくはミーハーを目指しつつもそれに徹しきれていないのが原因。
言ってもAメロ・Bメロは先行する女性vo.に後発のダミ声コーラスが茶々を入れるといった組み合わせでテンポよく、また歌詞で見てもBメロラストの掛け声などもあってミーハー楽曲のそれとしては何ら問題はないのですが、続くサビで二の足を踏んでしまいどうにも不完全燃焼。
分かりやすいタイトルコールにパラパラ、Whoa whoaといった叫びと役者(?)は揃っているのですが、いまいち惹かれないのはヴォーカルのキーが高すぎるからなんでしょうか。

ライナーにもあるようにSCPを思わせる女性&ダミ声の追いかけっこは聞いていて楽しく気に入っているのですが、リフの音色と本編の中途半端さのせいでその魅力も半減。
次があるとしたらこの辺りを改善して、より親しみやすい作品となっていて欲しいところ。



8.BLACKOUT/ NINE9NINE D
(DAVIDE DI.MARCANTONIO)
これまた見慣れない名義が続きますが、こちらも同じくDIMA MUSICの作品。スリーセブンならぬスリーナイン、いやもちろん松本零士のアノ作品が関係しているなんてことはありません(笑)

で曲の方ですが、こちらはギターがガンガンにフィーチャーされているのが特徴。イントロからそのギターが鳴り響き、サイレンに尖ったヴォーカルが刺さり、5曲目とはまた違った意味で荒々しい雰囲気での展開。

そんなイントロが終われば続いてリフが始まるのですが、ただこれまたギター一色で、これは果たしてユーロビートなのかしらという疑問が。
個人的にギターは好きですが、それはあくまでもアクセント付け程度の話であって、シンセ一切なし、そればかりとなってしまうとさすがにお腹いっぱい。ライナーの言葉を借りればそれこそ「ロックそのもの」であって、ここまでやるなら変にユーロに合わせるなんてことはせず、ロックとしてリリースすればいいのになんて思ったりも。

ライナーで触れられているTIME楽曲とはおそらくBREAK IT DOWN/ MARK GILLAN辺りだと思うのですが、こちらもそれと同じく陽気に進行。
最近は女性ヴォーカルのサポート役を務めることの多かったDIMAですが、今回は喉奥から絞り出すような刺々しい歌声での勝負。

バックにギターやピアノを配置しつつも、でもやっぱり主役はこのヴォーカル。ミドルテンポよりのリズムに合わせ堂々と歌い上げ、ちょっぴりYOKO/ DAVID DIMAを彷彿とさせるサビにかけてと盛り上がりも十二分。流れも途切れず、一度聞き手の心をグイと惹き付けたが最後、そのままサビまで一気に聞かせる仕上がり。

この常にギターソロ状態なリフをどこまで許容できるかでこの曲に対する評価も変わってきそう。
私はどうも馴染めませんでした…中盤・ラストのサビ後の展開は好き。


9.PRETTY GIRL ROCK/ SPEEDMASTERfeat.CINDY B
(SMITH-C.HARMON-C.SALTER-E.MACDONALD)
CINDYはCINDYでもこちらはSAIFAMのCINDY。昔々にTAKE ME UPやYEAH YEAHを放った彼女と同じ人…かどうかは分かりませんが、MELA辺りと同じく名前だけ残って中の人は変わっちゃっているような気も。

こちらのイントロは何だか懐かしいフレーズからのスタートで、「えーとえと、これはどの曲のイントロに似てるんだっけ」とHDD内のファイルを引っくり返すこと小一時間。しかし結局どの曲に似ているのか思い出せず(やっぱり)、このまま思い悩んでいても仕方が無いので話を進めます。
そのイントロも尺は1分以上。淡々とフレーズが響くパートあり、弱めのシンセを流すパートあり、ヴォーカルを伴い弾みをつけるパートありと変化に富んだ内容。周囲の曲を見渡せば、イントロに割く時間はどれも30秒程度。そんな中において本作は曲の準備にかなり時間をかけており、カバー楽曲と言えどそこは好印象。

リフのサウンドアプローチは昔々のDAY BY DAY/ DEBBIE KEY(EUROMACHvolo.1)辺りに近く、タッチの軽いシンセがぴょんぴょん跳ねるような作り。厚みや荒っぽさなど一切感じられませんが、代わりにテンポの良さ、軽快さでの勝負。
こちらも変に身構えること無く、すんなり耳に馴染んでくるところも◎。

ヴォーカルパートは、それぞれAメロ・Bメロ・サビとはっきり分かれているわけではないのですが、サビ(らしきパート)に行くまでかなり時間をかけており、また段階的に勢いを強めていくので他の一般的なユーロビートと同じような感覚で聞けるはず。
ヴォーカルもクセのない歌声の持ち主で、リフからの軽快さをしっかり守りサビまで小気味良く進行。
そのサビに至るまでちょっとサラリとし過ぎな感もありますが、一方で聞きやすさもあって総じてみればトントン。

ちなみにこちらが元となった作品。同じくSAIFAMカバーのDOES’NT REALLY MATTER/ ANGELICAもそうでしたが、こちらも上手い具合にユーロビートに落とし込めているかと。



10.TOGETHER/ CIAO CIAO C
(ACCATINO-RIMONTI-FESTARI)
カタログ未掲載の本作。直近の作品を見てみるとRUN INTO THE HOT FIGHT(HRG802)が車系アグレッシヴソング、SEBvol.208に収録された続くTHE MAGIC OF SUNSHINE(HRG833)は路線変更で低速ナンバー。
では続く本作はと言うと、シンプルなタイトルからして前作同様の低速路線に思えますが、実は高速寄りの路線での展開。

イントロは加工されたヴォーカルがグルグルと周り、その外側にはいくつかのシンセとドラムが付きまとい、低く怪しい雰囲気のまま進行。
しばらくそれを繰り返し、ギターを一瞬挟んでからリフへと移行するのですが、今回のリフは良くも悪くもそのイントロの雰囲気を引き継いだような作り。出だし低いキーからのスタートで、直前パートからの切り替えはスムーズではあるものの、終始「地味」という言葉が付いて回るようなリフ。中盤・後半にかけては高めのシンセを織り交ぜ何とかその地味さを払拭しようとはしているのですが、序盤の取っ付きにくさをカバーするまでには至らず。
ちょっと粗めのシンセを軸に力強く突き進み、アグレッシヴ楽曲のそれとしては十分及第点以上ではあるのですが、ただ掴み部分にあまり魅力がないためか、その力強さもいまいち活きてこず。

ヴォーカルパートは、前半のその地味さを引きずってはいるものの全編アグレッシヴに畳み掛けるスタイル。最近のSDEシリーズ収録の作品のように高めのBPMでグイグイ押していくパターンではなく、
低速路線同様、とにかく中身ぎっしりなバックトラックを引き連れ賑やかに押し通すといった作り。
低速路線の作品がそうであったように、そのバックにヴォーカルが飲まれてしまっている感もありますが、こちらも5曲目と同じように、既の所でvo.が踏ん張ってくれているのでアンバランスさといったものは特に感じることもなく。

タメを挟んでからのサビは、伸びやかな歌声とそれを追いかける複数のシンセで埋め尽くされ、ド派手とまでは行かないまでも、リフとは比べものにならない程の明るさ。聞く人が聞いたらうるさいとさえ思ってしまうほどの賑やかさで、聞き応えもなかなか。

あとはもう少しリフに華があれば。ちょっと勿体なかったですね。



11.JUST A DREAM/ MC BOY E
(HARRIS-REINAGLE-SCHEFFER)
ここ最近は他ジャンルのユーロビートアレンジではなく、SPEEDアレンジばかりの3B。ただそうは言ってもリフらしきものがあったり、早さ的にも周囲の作品とそれほど変わらなかったりと、ユーロビートとは言えないまでも、違和感ばかりが先行して聞くに堪えないなんてことは無かったのですが、でも本作は…

BPMは180もあり、そこはまさに<FACTORY SPEED MIX>というアレンジ名通り。その点において特に疑問を挟む余地もないのですが、一方で、じゃあこれがSEBというユーロビートを取り扱うコンピに収録されるべき作品なのかという疑問もあって(オールジャンルのコンピならまだしも)

ユーロビートの定義なんて人それぞれですし、「これはこうじゃなきゃダメだ」なんて言うつもりもありませんが、ただSPEED MIXと銘打たれた作品、それも周囲とはまるで異なる速度で展開される作品が収録されるとなると、やっぱり違和感を感じざるを得ないわけで。

「こんな曲が聞きたくてSEB買ってんじゃねぇ!」もうレビューでも何でもないですけど、でもこれがこの曲に対する(と言うかあの会社に対する)率直な感想。
以前も言いましたが、収録する曲がないのなら他のレーヴェルに譲る、もしくはEBFやMACHなど国内では未だフル収録のない作品を持ってくるなどした方が、まだ需要はあるんじゃないかと。



12.YOU ARE IN LOVE/ MICHELLE ROSE A
(ACCATINO-RIMONTI-FESTARI)
こちらもカタログ未掲載ナンバー。去年リリースのHARD TO SAY I’M SORRYではご多分に漏れず低速していましたが、続く本作も同じような低速路線で展開。
ただそれと比べるとポップさ重視で、それとはまた違った印象を受ける作品に仕上がっています。

イントロはダイナミックなフレーズをいくつも並べ、更には懐かしのサンプリング、SEなども付け加えられとにかく賑やか。そして重厚。

そんな喧騒から一呼吸挟んで続くリフもなかなかの厚みの持ち主。路線的にはそのHARD~と変わらないドリーム路線ではあるのですが、その厚み、そして弾力性のあるシンセとあって、それ以上に躍動感溢れるリフに仕上がっているのがポイント。

BPMは128と他の低速作品とほとんど変わらない程度ではあるのですが、上記要素のおかげで遅さといったものをあまり感じることもなく。
周囲を包み込んで、そのまま大胆に突き進んでいくところがお気に入り。

そんなリフからすると、ヴォーカルパートはちょっとノロノロとした歌い回しで、せっかく直前で培った躍動感が損なわれてしまうのが残念。それでも厚みに関してはしっかりと維持されており、ところどころにピアノやシンセをまといつつ、あくまでもマイペースにサビまでズンズン進行。

Bメロの尺が短く、その点多少物足りなさを感じてしまいますが、直後には一層迫力の増したサビが展開されるため、何度も聞いている内にそれもさして気にならなくなり。
サビも中盤にワンフレーズ挟み段階的に勢いを強め、持ち前の賑やかさと合わせ、聞き手に飽きを感じさせない作り。リフから一切路線にブレがない点も好印象。

以前の記事でも触れましたが、低速路線でもこれぐらいリフに弾みをつけてくれるとだいぶ印象が違ってきます。遅いと感じることもないので、低速路線はちょっと…という方でも案外すんなり馴染めるんじゃないかと。



13.TAKE MY LIFE/ RICH HARD D
(PASQUINI-MALFERRARI)
SEBvol.196収録のPIRATESでデビューして以来、どうもパッとしない彼。
昔々にALEPHがリリースした作品と同じタイトルの本作、今度こそは!と期待しつつ聞いてみたのですが、でもやっぱり…

こちらのイントロは大人しいピアノ伴奏にかすかなアコースティックギターの音色が響き、寂寥さえ漂う雰囲気が魅力。ただしそんな物憂げなパートが続くのも開始10秒ぐらいのもので、その後は聞く人をして「これはマズい…」なんて思わせしめるシンセが登場。

続いて始まるリフは案の定その音色で構成。決してSEB180番台の楽曲のように軽さや粗さの目立つ音ではないのですが、どうも先端がバラけているというか、はっきりとしない音色であるため、リフ全体がぼんやりとしてしまっているのが難点。
またここ最近の作品同様、本作もまたメロディラインに難有りでTHE HOUSE OF FIRE以上に古臭い、味気ないリフに成り下がってしまっているのもマイナス。

1曲目のレビューにも書きましたが、曲の入り口であるリフに魅力がないともうその時点でその先を聞くになれない、視聴を打ち切ってしまいたいなんて思ってしまいます。
SEB190番台辺りから「DAVE良くなった→DAVE駄目だった」なんてことを繰り返し書いてきましたが、もうそろそろ「DAVE完璧!文句なし!」と言えるようなクオリティに持って行って欲しいところ。

ヴォーカルパートも基本的には無難な作りではあるのですが、サビバックのフレーズだけは個人的に×。キーの高い耳障りなシンセで、以前のFUTURAの作品のイントロ同様、聞いていて辛いです(^^;
サビを賑やかにしようという姿勢は素晴らしいと思うのですが、ただもう少し低めの、ヴォーカルの邪魔をしない程度の音色を配置して欲しかったですね。

1コーラス目とは異なる2コーラス目のアプローチ、中盤の間奏からの切り返しは気に入ってます。



14.NO MORE LOVE/ CHERRY B
(MATTEO RIZZI-CLARA MORONI)
2曲目とセットでこちら。どうもこのCHERRY-LESLIE PARRISH-VICKY VALE-DELTA QUEENSとで路線が被ってしまい、どの作品がどの名義なのかさっぱり分からなくなってしまっているのですが、今回はCHERRY名義を使用。

こちらのイントロは“ノノノ…”となんともキャッチーなフレーズからのスタート。ただそんな歌詞とは対照的にバックの曲調は哀愁寄り、ヴォーカルが捌けた後はますますその調子を強め、聞く人をして「今回は哀愁調のリフなんだな」と予見させる内容。

ただいざ実際に始まったリフに耳を傾けるとそんな予想とは真逆の作りとなっており、確かに哀愁要素はそこかしこに見え隠れするものの、基本的には明るさ重視の路線。
自身のLOVABLE SIXTIESとUPSIDE DOWN/ QUEEN26を足して割ったようなリフで、歯切れの良いフレーズと高揚感溢れるメロディとの相性も抜群。
欲を言えばもう少し疾走感が欲しいところですが、そうした要素のおかげで聞き応えはなかなか。

2曲目同様、MORONIヴォーカルの作品ということで、どうしても頭をもたげてくるのがYOU ARE MY WONDERとYOUR BARBIE GIRLという2曲の存在。
それらと比べるとリフの疾走感、Bメロからの加速で劣り、その点においては後塵を拝すると言わざるを得ないのですが、ただしサビに関しては一歩も引けを取らない出来。

思わず引き伸ばしたい衝動に駆られるBメロラストのタメから、イントロにも登場した“ノノノ…”フレーズに哀愁路線への回帰、しかしそんな曲調の変化をものともせずに歌いこなすヴォーカル。
バックで踊るシンセに合わせ、自身も緩急強弱付けた歌い回しで張り合い、次から次へと連なるようにしてこちらに迫ってくるところがお気に入り。

上にも少し書きましたが、DELTA女性ナンバーも基本的にvo.がMORONI一択なのが弱点。他名義との差別化が曖昧で、たまの収録ならまだしも、今回のようにひとつのアルバムの中に2曲もとなると飽きを感じるのが早まってしまうような気も。
GELMETTIの存在が曖昧である以上難しいかも知れませんが、片一方にド80’s路線でも収録すればバランス的にもっと良くなると思うんですけどねー。

しかしクレジットを見ると、DELTAは本当にMORONIの会社になっちゃったんですね(笑)



15.DING A LING<HEALING EUROGROOVES REMIX>/ JILLY
(S.DALL’ORA-C.MORONI)
オリジナルはSEBvol.51収録。元々は哀愁+幾らかの攻め要素といった具合で展開されていた作品も、こちらHEALINGver.では聞かせることに重きを置いた作品に変身。

以前のBYE BYE JAPANと異なりヴォーカルとBPMは原曲通り、ただし曲の大部分を占めるのはピアノとアコースティックギターとなっており、曲に対する印象も大きく変化。早口で展開されるAメロが若干浮いているような気もしますが、Bメロ以降はバックトラックも元々のヴォーカルに馴染み、その後は一層悲壮感の増したサビを演奏。
作品後半にはピアノ+ヴォーカル、更にはバイオリン+ヴォーカルといった変型パートも盛り込まれ、哀愁好きにはまさに堪らない作品に仕上がっています。
----------------------------------------------------------

DING A LING<ELECTROPOP EUROGROOVES REMIX>/ JILLY
(S.DALL’ORA-C.MORONI)
配信限定のこちらのアレンジ。ELECTRO“POP”とあるので上とは対照的に明るさ重視の味付けなのかと思っていると、街中の喧騒の後にはピアノ伴奏が続き、こちらも序盤はしおらしい展開。
ただしそれ以降については強気なギター、ベース、上昇志向の強いフレーズと続き、哀愁路線ではなくPHIL&LINDA的オシャレ路線で展開。一歩一歩力強く歩みを進め、パート追うごとに勢いを強めた後にはキレのあるサビを披露。
原曲以上にメリハリのあるビートの刻み方がクセになります。

ちなみにこちらのバージョンもBPM145&MORONIヴォーカル。となるのと変わったのはアレンジだけとなるのですが、しかしそれだけでこうも曲の印象が変わるとは驚き。
ライナーでW辺さんが仰ってらっしゃるように原曲との聞き比べも面白そうです。



というわけでSUPER EUROBEATvol.214。
これまでのSEBvol.211・212と比べると若干パワーダウンしてしまった感はありますが、それでも好調SINCLAIRE STYLEにSCPの3曲、名前を覚えるのも面倒なLOLITAと特徴的かつ活きの良い作品もあって、聞いていてなかなか面白かったです。

ただ一方で心配なこともいくつかあって、それは相変わらず低空飛行のDAVEと3Bの存在。前者に関しては時間が解決してくれるから良いとしても、でも後者に関してはそういう訳にもいかず。
11曲目のような明らかに異なるジャンルの作品が収録されるとなると、もうコンピとして末期症状なんじゃないかと危惧してしまうというか。

上にも書きましたが、無理してこんな曲を収録するぐらいなら過去曲を再録してくれた方がまだ良いし、なんなら枠ごと減らして14曲収録にしてくれたって構わない。
次回はおそらく3Bの登場はないみたいですが、いずれ収録の機会がある際はもう少し選曲に気を遣って欲しいところです。

その次回、SEBvol.215は既にトラックリストも公開済み。
発売まではあと1ヶ月、それまでに配信関連のレビューは終わらせておきたいところですが、でもたぶん無理(笑)自分のペースで適当にこなしていく予定です。

スーパー・ユーロビート VOL.214スーパー・ユーロビート VOL.214
(2011/05/04)
(V.A.)

商品詳細を見る
スーパーユーロビート VOL.215スーパーユーロビート VOL.215
(2011/06/01)
(V.A.)

商品詳細を見る


関連記事

コメントの投稿



スパム対策のため「http」が使えません。お手数ですがhを抜くなどでご対応下さい。
非公開コメント

プロフィール

玉鬼feat.管理人

Author:玉鬼feat.管理人
久しぶりに石割り合戦に参加したと言うか、巻き込まれたと言うか…

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カレンダー
03 | 2020/04 | 05
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
リンク
ブログ内検索