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SUPER EUROBEATvol.218レビューその③

遅くなりましたがSEBvol.218のレビューの続きです。

218_20110829195557.jpg

今日は残りのtr.7~15までの評価有りレビュー。
毎度おなじみの文句ですが、以下本当に興味のある方のみお進み下さい。


7.IN MY SUPERCAR/ NANDO B
(A.LEONARDI)
以前収録されたTOY FOR LOVE(SEBvol.203)では同じく本名モチーフながら“BON”なんて名義を使用し、もう納戸NANDO名義は使えないのかしらなんて思っていたのですが、しかし今回あっさりそちらの名義で再登場(笑)
そう言えばNIKO名義もそのまま使われてますし、レーヴェル変更による制約といったものは特に無いのかも?

パッと見エナアタの作品のようにも見える本作ですが、そのタイトル通り車のエンジン音からのスタート。その後はエフェクトを掛けた、ややくぐもった感じのサビパートを展開し、途中からはそのエフェクトも外し、景気の良さも取り入れながら上へ向かって一気に上昇。

同レーヴェルのSUPERBAD/ NIKOを思わせるような野太い掛け声を挟んでから始まるリフ。感じとしてはライナーにもあるようにPILOT IS THE HERO/ NIKO、他にもNIGHT OF FIREやMUSIC GO WILD!など過去のヒット曲のイイトコどりのような作り。
ただそれらの作品と比べると構成するシンセが丸いと言うか、刺々しさがないため、音の軽さが気になったPILOT~にも勢いで劣ってしまうのが難点。タイトルを見て、PASSPORT TO DANCE/ EURODUDESのような押して押して押しまくるなんて曲を期待しているとちょっと拍子抜けしちゃうかも。

それでもメロディも直前と変わらず常に上向き、そのシンセにゆったり構えたリズムも合わさり聞きやすさではこちらが優秀。ちょっとアグレッシヴ寄りなポップ路線ぐらいに捉えておくと良いかも知れません。

続いて始まるヴォーカルパートもそのリフの延長線上といったところで、アグレッシヴさそこそこ、ちょっと控えめさの目立つ内容。ただテンポの良さがそれらをカバーしており、弾力のあるバックトラックに支えられ、実に気持ちよさそうに歌い上げるNANDO BONINIが印象的。
作品も特にBメロ冒頭“Honey, honey”からの流れるような切り返しも見事で、またその後のサビでは“Never~”×4や“I go…”×3など韻を踏みつつタイミング良く畳み掛け、聞きどころもバッチリ抑えた内容。

途中で御路線を大きく変えることもなく、リフからサビにかけての一体感もなかなか。
確かにタイトルから連想するような派手さはありませんが、程々のリズムに程々の盛り上がり。
物足りなさを覚えるなんてこともなく、不思議と何度も聞いてしまうような中毒性も兼ね備えた作品に仕上がっているかと。



8.ON YOUR WINGS/ RICH HARD B
(PASQUINI-MALFERRARI)
タイトルを見ればいつかのMANUELのナンバーが脳裏をかすめますが、こちらは“MY”ではなく“YOUR”。歌うはここ最近特に登板回数の増えてきたRICH HARDで、この人もここまでパッとしない曲ばかり続きましたが、ここに来てようやく調子上向き。
3曲目同様、SUN FIREの復調ぶりが窺える仕上がりに。

序盤は静かにというのがこのレーヴェルの信条なんでしょうか、これまた低く抑えた雰囲気のイントロを展開。重く響いてくるフレーズからしばしの沈黙、幾らか経ってからすっと入り込んでくるようなギターにシンセ。更に進めばベースが大きくリズムを刻み始め、音域は冒頭とさほど変わらないながら勢いをはどんどん増していき、聞き手に期待を抱かせるような作り。

果たして始まるリフはそんな期待に見事応えてくれるような出来映えで、私なんか思わず「DAVEやれば出来るじゃん!」なんて叫んでしまったほど(笑)これまでは全くと言って感じられなかった滑らかさがようやく戻り、音の粗さも見事に解消。
メロディラインもジェットコースターよろしく、高いところから滑り落ちるようにして動き回り、とにかく全編ハイテンション。
前回もそこかしこで復調の気配の窺えるリフでしたが、でもまさかここまで良くなっているとは思いもしませんでした。

そんなリフで気を良くして、続くヴォーカルパートも「さぁ!」と勢い込んで聞いてみたのですが、ただこちらはうーん…なんて閉口してしまうような内容。
曲調はアグレッシヴ、バックを見てもギターとシンセが至るところに敷き詰められて迫力満点なのですが、ただ肝心のヴォーカルが今ひとつ。
これまた3曲目同様、妙なエフェクトが足を引っ張り気味。Aメロ歌い出しやサビ直前部分などでヘナヘナと力が抜けてしまい、その度に曲の勢い、流れが分断されてしまうのが残念。

その後のサビもヴォーカルがややバックに呑まれてしまっているのが気になるものの、アグレッシヴ作品のそれとしては十分過ぎる程の盛り上がり。
路線的にはこれまでに彼が歌ってきたTAKE MY LIFEやTELL ME WHYと同系統、うっすら哀愁要素散りばめての展開ですが、やはり勢いという点ではこちらが一歩リード。
直後には再びリフが登場し、流れが途切れがちなA・Bメロとは対照的にこちらは見事な一体感。前半の減速をバッチリ取り戻してくれています。

3曲目と合わせかなり良くなってきたSUN FIRE RECORD。
思い返せば前身のA-BEAT含めSEB190番代から好不調を繰り返してきましたが、今度こそ、本当に今度こそ復活した…と思いたい(半分は願望(笑))
でも確かに良くなってきたと思います。次回作も楽しみです。



9.NO MONEY NO HONEY/ CY-RO A
(ACCATINO-RIMONTI-FESTARI)
先日の記事でも触れましたが、HRG800番台に入ってやたらと出番の増えてきたシロもといサイロ。SEB収録率もなかなかのもので、210番台ではユニット含め3度目の登場。
(この期間は合間にNON-STOPが入り新譜は実質6枚、つまり2回に1回はこのCY-ROが収録されている計算になります)

そんな出番の多い彼ですが、今回はユーロではヒットワードとしてお馴染み“MONEY”を冠したタイトルをリリース。これもだいぶ使い古されたというか、この手のタイトルはたくさんあると思っていたのですが、これもエナアタ括りでみるとそんなに数があるわけでもなく、実際数えてみたところたったの7曲。

更に男性曲に絞ってみてみると最も古い曲でGIVE ME BACK YOUR MONEY/ JEFF DRILLER(HRG635)、その後MONEY TALK/ REMY PANTHER(HRG785)を挟んで本作とわずか3曲。
割と昔からMoney!Money!と叫んでいたようなイメージがあったので、この結果は少々意外でした。

いきなり話が大きく逸れましたが、肝心の曲の方はというと、重苦しさと怪しさとを併せ持ったようなイントロで幕開け。4拍のリズムを微妙につき崩しながらフレーズが踊り、途中にはヴォーカルではなくコーラスが何事か喋り、この謎めいた雰囲気が妙に新鮮、こちらの好奇心を刺激し曲に対する注目もぐんと上昇。

一度流れを絶ち切ってから始まるリフ。内容的には直前までとはまるで異なる、明るさを取り入れたアグレッシヴ路線となっており、最近のMECHA FIREBALLやBINGO BONGO辺りと同じ刻み系シンセで構成されているのが特徴。
これも少し前のキンキンシンセと比べると派手さでは劣り、個人的にも「もう一声欲しい」という気持ちも無きにしも非ずなのですが、それでも歯切れはよく、次から次へとテンポよく聞き進められる点ではお気に入り。
かつてのTAKE ME INTO FIRE/ BABY GOLD辺りが好きだった方にオススメ。

ヴォーカルパートですが、確かにまだシリアス調は残っているものの前作JUMP ON THE SOUND以上にはっちゃけており、特にBメロからのちょっと狂ったような、バックトラックを押しのけ迫ってくる歌い回しなんかは昔の作品に戻ったようで特にツボ(笑)

そんなBメロで勢いをつけてから始まるサビは、いかにもユーロビートっぽいタイトルコールを軸に一気に畳み掛け。笑いとアグレッシヴさが入り交じり、また本当に微妙なエフェクトやバックでひたすらうねるシンセフレーズなど小技も効いており、こちらに付け入る隙を全く与えず、とにかく賑やかな仕上がり。
「カネがなければ、愛もない!」とちょっとIKZOっぽい対訳含めてお気に入り。

一時期の勢いが戻ってきたエナアタ。
らしくないクールな作品もそれはそれで聞き所はありましたが、でもやっぱり旧来ファンとしては今作のようなスタイルのほうがしっくり来ますね。



10.THE END OF WORLD/ DREAM FIGHTERS AAA
(D.DI MARCANTONIO)
人材豊富な女性陣と比べてちょっと手薄な男性陣。MARINやCARAMOR、MAGNANIもそれほど登場回数が多いわけでもなく、そうなってくると当然残る彼の出番が増えるわけで、今回はDREAM FIGHTERS名義を使用しての登場。

このレーヴェルも例えばDEE DEE辺りは一応名義コンセプトのようなものがあって、それに沿って使用している感じが窺えるのですが、それ以外の例えばこのDREAM FIGHTERSやDAVID DIMA辺りの使い分けはどうなっているんでしょうね。
一応こちらもきちんとコンセプトがあるのか、それとも案外適当に付けているのか、その辺もちょっと気になります。

作品の方はSUNRISEとは対極、思わずギョッとしてしまうようなタイトル。
当然この手の曲名で物凄い明るい、ミーハーキャッチー路線なんてことはなく、あくまでもその見た目通り、腹の底まで響いてくるような重々しいサウンドを展開。

オープニングはオルガンの伴奏に始まり、何となくFF6のケフカ戦やらキリスト教的終末思想なんて言葉もチラつく作り。もちろんそのままオルガンが延々続くこともなく、一通り弾き終えた後にはドラムロールが迫り、作品は一気にアグレッシヴ方向へとシフト。
曲調を切り替えた直後はベースとコーラスのみの構成ですが、すぐさま主役はギターへと移り、連綿と流れる伴奏にヴォーカル他いくつかの要素が加わっていき、雰囲気は暗めながら非常に力強い、一体感のあるイントロに。

刺々しいヴォーカルの叫びを挟んでから始まるリフ。こちらも上の方に収録されたRAIN/ MISTIKAと同じくギターメインのリフで、既に述べたようにこの手のモノはあまり得意ではない…はずなのですが、特に拒否反応が出ることもなくすんなり耳に馴染み、あまつさえ「このリフ良いじゃん」なんて思う始末(笑)

作りとしてはSEBvol.199収録のA FLASH IN THE NIGHT/ DAVID DIMAに近いと思うのですが、ただそれと比べるとギターとシンセの割合が同じくらいとなっており、
それらが複合的に迫り、非常に奥行きの感じられるリフに。
BPMも去年リリースの作品よりも若干引き上げられており、またメロディも始めは暗いながらも後半にかけては派手さも取り入れ変化と、こちらを飽きさせないような仕掛けが施されているのが特徴。

ヴォーカルパートに入ってもその勢いはとどまることを知らず、Aメロ、Bメロと段階的にギアを上げていき、最後は更に踏み込んで力強いサビを展開。
掴みの“Come on go!”からサビはぐんと広がり、また変わらず主張し続けるギターに良いタイミングで入ってくるシンセフレーズと一緒になって曲を盛り上げ、とにかく中身ギッシリ。迫力のあるサウンドに終始圧倒されっぱなし。

そもそも通常のリフ自体がギターソロみたいな感じですが、作品後半にはBメロ潰してそれとは別のソロパートも搭載。
どこまでも手抜かりなく攻め立ててくる内容で、どうせいつもの低速orミドルテンポ路線でしょ、なんて軽く見ていたら見事にカウンターパンチを食らう羽目に(笑)
路線的にはALL ABOUT YOUやSOMEBODY TO LOVEの延長線上ですが、BPMも上がり、アグレッシヴ要素も大幅増加。そちらの作品はいまいちピンと来なかった人でも本作ならきっと満足できるはず。オススメ。



11.MINISTRY OF POWER/ FASTWAY B
(S.CASTAGNA-C.CODENOTTI-E.SOMENZI)
前作INVISIBLE TOUCH(SEBvol.208)からちょうど10作ぶりの登場となるFASTWAY。SCPもここ最近は新人勢の台頭が目立ち、かつて彼が担当していたアグレッシヴ路線などもHOTBLADEにお株を奪われるような格好に。
昔から聞いてる身としては、ここは一つベテランとしての意地を見せて…なんて思いながら聞いてみたのですが、意外や意外、予想とは違うスタイルでの展開にちょっとびっくり。

イントロはBECAUSE OF YOU/ JAGER辺りにも似たフレーズからのスタート。
その後は薄く延ばしたシンセを走らせつつ、コーラスが適当に叫んだり叫ばなかったりするといった内容で進みますが、そこには賑やかさはなく、何か上から抑え込まれたような重苦しさを漂わせての展開。
15秒を過ぎればヴォーカルも登場しますが、そこでガラっと調子が変わることもなく、あくまでもリフとの繋ぎとしての役割に終始。

果たして始まるリフもやはりその延長線上。タイプとしては前回収録されたUP&DANCE, UP&GO/ LOU MASTERに近く、一度聞いた時点では「何だこれ?」と思うも、二度三度と聞いていく内に「あれ、もしかして実はいいのかも…?」と印象が変わってくるような作り。
またメロディラインは彼の作品にしては珍しく哀愁調で、かつてのIT’S MY LIFE/ DUSTY(SEBvol.153)などと同じく、このリフのそこかしこに散りばめられた哀愁フレーズが良いアクセントに。

ただ一方で、リフ全体に掛けられたエフェクトも特徴づけに一役買っているかと言うとそこは微妙なところで、貢献してると言えるような気もするし、逆に邪魔してしまっていると言えるような気も。
この辺りの判断は各人で異なりそうですが、個人的には通常はエフェクト無し、後半に変型リフの一つとしてエフェクトを掛けるぐらいで良かったんじゃないかな、と。

ヴォーカルパートに入ると直前の哀愁要素は鳴りを潜め、持ち味を活かしたアグレッシブなスタイルへとギアチェンジ。
Aメロはチープなシンセドラムや手拍子を織り交ぜ軽妙さを打ち出し、続くBメロ前半ではvo.が次々に畳み掛け、そうかと思えば後半でバックを弱めて緩急付けた曲運び。

そんな前置きあってからのサビもテンポの良さでは直前と変わらずですが、ただ冒頭ちょっと中途半端な位置からスタートするせいか、それまでの流れが途切れてしまうのが残念。お世辞にも分かりやすいとは言えないタイトルコールも、そう感じてしまう理由の一つなのかも。

掴みでちょっとつまずきはしたものの、それでもすぐさま持ち直し、リフで見せた哀愁をチラつかせつつ、しかしメインは荒々しさという組み合わせで盛り返し。
ZANINIもただ単にまくし立てるのではなく、中盤では伸ばし気味に、後半にかけては粗雑に突き放すような歌い方をしたりと、曲が単調になってしまわないように上手く工夫。キレのあるバックトラックも手伝って、哀愁がかった曲調の割にスラスラ聞き進めることが出来る作品に。

評価の分かれそうなリフのエフェクト、あまり惹き付けられないサビ冒頭など気になるところは幾つかありますが、それ以外に関しては概ね及第点以上。
アグレッシブから一捻り加えたスタイルが良かったです。



12.LOVE IS DANGER/ LINDA ROSS
(DALL'ORA-CASTAGNA-GELMETTI)
<BRITISH HEALING REMIX>と銘打たれた本作。
ライナーにもあるようにオリジナルは多少哀愁を含みつつもアップテンポ、明るさ重視のサウンドでしたが、これも変人天才DALL’ORAの手によりHEALINGver.に大変身。
今回はこの手のアレンジではお馴染みのアコースティックギターとピアノ以外にサックス(たぶん)が用いられているのがポイントで、威勢のいいヴォーカルを上手く抑えこみ、そこだけ浮いてしまわないよう緩衝材として貢献。
またそうした繋ぎとしての役割だけではなく、1:30~には原曲のメロディとは全く異なるソロパートなども設けられており、また作品後半にはそれとは更に異なるパートも存在し見せ場もバッチリ。

毎度毎度のHEALINGver.にそろそろネタ切れ、ワンパターンになるのでは、なんて思っていたのですが、そんな心配をよそに見事な味付け。
LOVE IS DANGER 2005も大胆なアレンジが施されていましたが、こちらのバージョンも負けず劣らず。丁寧に作り込まれており聞き応えがあります。





13.HELLO KITTY/ ALIX B
(S.CASTAGNA-C.CODENOTTI-E.SOMENZI)
SEBvol.215収録MAXIMISIN’でデビューしたALIXですが、割とスパン短めで再登場。
その前作ではローテンポの中とても新人とは思えない歌唱力を披露し、聞く人をして驚かせましたが、今回はそれとは全く異なる大路線変更。それこそ「これホントに同じ人なの?」なんて思ってしまう程の変わりっぷりで、以前とはまた違った意味で驚いてしまうような作品に仕上がっています(笑)

オープニングはやはりSCP作品ということでもれなく面白くなく、例によって例のごとくリフから先行するような形でシンセを流し、それに合わせてヴォーカルが適当に歌っていくといった構成。
ただこれまでにレビューしたACEやFASTWAYのそれと比べれば曲調も明るく、また躍動感もあるため、作品序盤で早くも飽きが来るなんてこともなく。それなりに聞き手を引き付ける要素を備えたイントロであると言えます。

続いて始まるリフは思った通り直前とそう変わらない雰囲気ではあるのですが、ただシンセ等は一風変わっており、今作ではちょっぴりテクノテイストな味付けがなされているのが特徴。聞けば昔々のBURNING IT UP/ 2ND FUNK-TIONやJAMES BROWN IS DEADなんて曲も一瞬脳裏に浮かび、このレーヴェルでは珍しい景気の良い音色で全編賑やかに行進。
メロディ自体は似たようなフレーズの繰り返しで、その点あまり魅力は感じられませんが、それでも上記要素が上手くカバー。最近はこの手の路線の作品がなかっただけに逆に新鮮、その聞き応えもなかなかのモノ。

ヴォーカルパートの出来も○。前作では低BPMに合わせちょっとアダルトな、気怠さを漂わせたスタイルでしたが、今回はその気怠さを残しつつも、しかし基本的には真逆の上向き路線。
Aメロは妙に耳に残る“ハローキティ”ならぬ“ヘアロゥキィーティー”(わざわざ文字に起こす必要もないか(笑))、そしてバックには三味線のようなフレーズにギターのコンビネーション。続くBメロではやっぱりバック弱めてタメを作り、またヴォーカルもこちらを挑発するような、はたまた疑問を投げかけてくるような歌い方に切り替え、両者合わせてサビへの期待を高めてくれるような展開。

サビはいつかのMICKEY/ TONI BASILを彷彿とさせるような、明るさに満ち溢れた内容。
若干ミーハーさに欠けるのが勿体無いような気もしますが、Aメロ同様のタイトルコールに適当なタイミングで茶々を入れてくるコーラス、そして後半にかけての“ミャンミャン”フレーズと役者は揃っており、リフに負けず劣らずの賑やかさ。

ここ最近ではすっかりお馴染みのBメロ弱めタメのおかげで景気の良さも一層アップ。サビまで一直線ではなく、適度に散らして進めるため、このレーヴェルにありがちな奥行きのなさなどもバッチリ解決。
程よいテンポも相まって、気分良く聞き進めることの出来る作品に仕上がっていると思います。



14.MY MELODY/ ANNIE LOVE A
(S.OLIVA-A.GATTI-M.MENABUE)
3曲あるサンリオ楽曲のうちの1曲で、こちらはGGMからのリリース。歌うは今回初登場となるANNIE LOVEというアーティストで、また作家陣にはM.MENABUEという見慣れない人物も名を連ねており、収録先のジャケット含め色々と目を引く要素を持った作品。

オープニングはちょっとエフェクトを掛けたタイトルコールに始まり、その後はギターを織り交ぜつつの展開。しばらくすればメインvo.も本格的に歌い出し、冒頭とはまた違うタイトルコールを繰り返しながらどんどん加速。
作品も序盤からとにかく爽やかさを打ち出しており、クセのない澄んだ歌声と合わせすんなり耳に馴染んでくるところが◎。

小気味良いドラムフレーズを介してから始まるリフ。タイプ的にはSEBvol.215に収録されたI’LL FLYに近く、厚みのあるシンセを軸にうねりながら迫ってくるような作り。
またI’LL~がやや重さが気になるというか、繰り返し聞いているうちに疲労感のようなものを覚えるのに対し、こちらはそういった重さは特に気にならず、いつまで聞いていても耳に心地良いままのリフに。
(もっともこの音質ではそうと言い切れないところもあって。この辺はCDで聞いたときに変わってくるかも)
メロディラインはとにかく上へ上へ、イントロのイメージそのままに明るい爽やか路線。うねりシンセとの相性も良く、そういった点においても繰り返し聞きたくなるようなリフに仕上がっているかと。

リフが終わればヴォーカルパート。
このANNIE LOVEという名義を担当するvo.も果たして本当に今回が初登場のアーティストなのか、それとも従来vo.の別名儀なのか、その辺りはよく分かりませんが…同レーヴェルのESTERやCANDY MORE辺りと同系統の美声の持ち主で、新人らしからぬ歌い回しを披露。

リフから切り返してのAメロはやや小休止、直前までの流れが途切れてしまうのが難点ですが、それでもやたら強気なバックトラックに助けられ再加速。
その勢いのままBメロに突入し、さぁこのまま一気呵成にサビへ殴り込み…と思いきや、最近取り上げたSCP作品同様のサビ前バック弱めパート(流行っているんでしょうか(笑))

そのバックの強弱に合わせ、曲調もそれまでの明るさ一辺倒から少しシリアス調へと傾倒しますが、
そのままそっち方向へ流れてしまうなんてことはなく、ワンクッション入れてから始まるサビで再び明るい路線へと回帰。
タメを作ったおかげでもちろん景気の良さは増し、また伸びやかさ、艶っぽさの増したヴォーカルが加わることによりサビはとにかく賑やか。リフと同等、もしくはそれ以上の存在感。
1コーラス目限定ですが、後半にはイントロと同じくドラムフレーズが並べられており、直後のリフへの流れ含め、ばっちりメリハリの効いた構成がお気に入り。

上の方でも少し触れましたが、とても新人とは思えない歌唱力を持ったANNIE LOVE。レーヴェル内や他にもDIMA MUSICなどライバルは多いですけど、今後もそういった先人たちに負けないよう頑張って行って欲しいところです。
とりあえず手始めにクロミかバクの歌でも歌って下さい



15.LITTLE TWIN STARS/ ALEKY B
(D.DI MARCANTONIO-M.CARAMORI)
こちらはDIMA MUSICからのリリース。タイトルを見ると昔あった神楽坂のクラブを連想しますが、しかし実際はそれとは全く関係なく、上のジャケット通りサンリオキャラクターをテーマにした作品。
歌い手はSEBvol.206収録LABYRINTH OF LOVE以来久々の登場となったアレッキーもといALEKYとなっており、また制作陣には珍しくMANUELが名を連ねているのも特徴。

オープニングはおそらくはカットされてしまっており、今回のトラックでは尺が短いのが残念ですが、タイトルコール+それをなぞるようにして配置されたギターと登場し、作品序盤から申し分ないほどの賑やかさ。
静かな滑り出しから段々と勢いを強めていく構成も好きですが、本作のように最初からハイテンション、聞けば気分の盛り上がるイントロも、これはこれでお気に入り。

ラストにもう一度タイトルコールを挟んでから始まるリフ。今回は掴み部分でLOVED IN TOKYO/ MAX ZEROを彷彿とさせますが、使われているシンセはそこまで濁っておらず、TIME TO FLY/ CINDY COOPER辺りに近い音色での構成(とは言えこれもこの音質では判断しにくい(^^;))

メロディラインは前半部分で多少のんびり、平和路線で進むものの、後半にかけては爽やか路線に切り替えて再上昇。合間に挟まれたうねりシンセはもちろん良いアクセントに、また中盤~締めにかけての伸びのあるシンセのおかげで作品の立体感は更にアップ。
BPMは142と割合ゆったりしていますが、こうした変化のあるシンセのおかげかあまり遅さは感じず、程良い疾走感を以てしてすんなり耳に馴染んできます。

前作LABYRINTH~は低BPM+不思議ちゃん路線で個人的にはあまりピンと来なかったのですが、対してこちらもテンポではそう差は無いものの、路線はデビュー作ETERNITYと同じ明るさ、爽やかさがメイン。これらの要素も最近のVIB回帰作品とも一味違い、懐かしさではなく新しさを感じながら聞き進めることの出来る作品に。

マイペースなAメロから少しブレーキをかけて変化を付けるBメロ前半、それでも後半にかけては持ち直し、そこでの勢い損なわず一気にサビを展開。
ちょっと冗長気味なコール部分が気になりますが、バックにはイントロの時と同じようにギターが、またそれ以外にも複数のシンセやSE、手拍子と入り、当初感じた不満をすぐに打ち消してくれるような賑やかさ。
そうした要素に支えられヴォーカルの輝きは更に増し、そのETERNITYにも匹敵するほどの盛大なサビに。ヴォーカルも聞きやすさを重視しつつも軸はしっかりしており、ともすると平和路線へ傾倒してしまいがちなサビを上手くコントロール。足取りしっかり、最後までソツなく歌い上げてくれています。

個人的にはリフ前半部分にもっと勢いが欲しかった、もう少し早いテンポで展開して欲しかった等ありますが、そうは言いつつ概ね満足。
上の繰り返しになりますが、かつてのETERNITYが好きだった方なら同じように楽しめるかと。



NRGさん家が忙しいようなので代わりに掲載。

bpm_20110911033855.png



インストはこの辺りを購入。

インスト

GGMのインストは途中で止まることが多いですけど、今回のMY MELODYは止まるどころか終わっちゃいます(笑)これもインストだけでは何のことかサッパリ、EXTENDEDと照らし合わせて聞いてようやく理解できるレベル。
これ以外ではインストだけでも賑やかなNO MONEY NO HONEYと、イントロにしっかりvo.が入ってしまっているIN MY SUPERCARがお気に入り。




そんなこんなで早くも今年ラストのSEBvol.218(新曲的な意味で)
何日か前の記事でも同じようなことを書きましたが、前回SEBvol.217が何度も聞いている内に「実は良いのかも?」と印象が変わってくる内容だったのに対し、こちらは一回聞いただけですぐに「良い!」となる作品揃い。

いずれのレーヴェルも調子は良いようで、特に今回はSUN FIREの復調とますます以前の路線に戻りつつあるエナアタが良かったですね。
それ以外のレーヴェルでも久々登場のDANIELAさんっぽい人にNANDO名義、珍しく爽やか路線でないDIMA MUSICの2曲、自慢の歌声が響き渡るVIRGINELLE…って全部書いていったキリがないんだけど(笑)、とにかくそれぞれ勢い、特徴があって聞き応えも相当。レビューも楽しく書くことが出来ました。


惜しむらくは、各レーヴェルともこんなに調子が良くなってきたのにしばらく新曲が聞けないという点でしょうか。

2011_20110911034049.png


おそらく今後はこんな感じで進むと思うのですが、この分だと次に新曲が聞けるのは約5ヶ月後。SEBvol.199→201の時ほどではないとは言え、これだけの間何も無いというのはやっぱり物足りないですよね。
DIMA MUSIC辺りはこの期間に合わせ何かしら配信を企画してるようで、他にもエナアタやSCPなども幾つか配信するとは思いますが…あとはEUROENERGYシリーズにGELMETTIさんもありますが、どちらも不定期かつ気まぐれなので、あればラッキーぐらいの認識。
@社も一昨年のようにiTunes経由で何か配信してくれれば、その退屈もいくらか紛れるんですけど…SEBvol.152~169のEXTENDEDなどわざわざ選曲の必要もないですし、需要もそれなりにあると思うんですけどねー。


なんだか話が大きく逸れてしまいましたが、今回のこのSEBvol.218、210番台を締めくくるには申し分のない内容。曲を聞いてテンションを上げたいという方にうってつけ、超がつくほどオススメです。


スーパー・ユーロビート VOL.218スーパー・ユーロビート VOL.218
(2011/09/07)
V.A.

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非公開コメント

No title

わんわんです
これだけ期間があくと
@社でも独自配信 アーティストコレクション等をした方が有効に5ヶ月を使える気がするのですけど
アーティストコレクションも止まったままですし(汗汗)
LOLITAのI WANT BELONG
ChristineのBACK INTO MY ARMSは絶対配信しろって@に言いたいです 愚痴を言ってごめんだす

No title

やっぱりこれだけ期間が空いてしまうと興味やモチベーションも下がってしまいますし、
人によってはもういいや、と見切りをつけてしまったりもするでしょうし。
何でもいいから購買層を引き止めるような要素があればいいんですけど…年間BESTも
なくなり、またマンネリがチラつくキリ番にそういった魅力があるのか。。。

>アーティストコレクション
担当Dも代わり、この辺りの続編もリリースしてくれると嬉しいんですけどね(^^;

SEBBESTOF2011

SEBBESTOF2011発売の中止は元ですか。 ^^ 何処も見ました。

No title

SEBvol.218に同封されているチラシに書いてあります。
ttp://blog-imgs-50.fc2.com/f/r/a/franztornard/HI3F0625.jpg

赤線を引いた部分:
”諸事情により予定しておりました「THE BEST OF SEB 2011」は中止となりました。”

No title

ああ 読みませんでした。 ごめん!

No title

発売中止は新ディレクターの決断でしょうか…

たしかにもう正規シリーズにノンストが3枚もあるから年間ベストの意味が淡くなってるとは思ってましたか、スーパーGTも終了してる上にここまでリリーズ数が少なくなるとちょっと寂しくなります。

No title

>トラさん
ちょっと分かりにくいですよね(^^;
文字も小さいですし、私も他の人に言われるまで気がつきませんでした。

>Lさん
初出の1993以来、17年間毎年リリースされてきたこのシリーズ、SUPER GTよりも
歴史があるだけに余計に寂しく感じてしまいます。

SEさんが仰ってらしたように、もしかしたら時期的に被る220と統合するような形で
年間BESTをやるのかも知れませんね。

No title

ベストが無いと寂しいですね EUROBEAT OF BEST 1000とか面白そうですけど
圧縮しないと一枚には入らないですけどね

しかしester bettyが実はモデルで 歌ってるのはせつえさん()DR'S.GIRL とは驚きです

No title

?BETTY BEATは分かりませんが、ESTERは“ESTER SCARPA”さんという方だと
昔聞きましたが…

No title

esterさんの件ですが 見間違いで ester=esterです
あと アナログをデジタルかするときに全くノイズを入れないで作成することは可能ですか? 玉さんの経験上でいいので

No title

基本的に盤質次第なので、一概にどうとは言えないです。
ソフトのノイズカット機能などを使えばある程度気にならなくなるんでしょうけど、何せ使ったことが無いので、どれくらい効果があるのか分かりません。

No title

盤次第なんですか  メガで買ったDOUBLE時代のCristineの盤で新品?(おそらく)みたいですが
アナログでSCP系は初めて買ったので SEBとかみたいに
ノイズを無しでwavにしたいんですけど 無ノイズは難しいそうですね

No title

Love Is Danger (British Healing Remix)が聴きたくて、久々に購入(シリーズ歯抜けもいいとこです…)
これはなかなかセンスいいですね~。驚きました。単に音色を変えただけかと思っていたので、うれしい裏切り。ただ、いつかメロディが途切れていつものLove Is Dangerに行くんじゃないの?えっ、行かないの?と勝手にあたふたして、Love Is Dangerリアル世代としては、2倍楽しめました。

No title

連投すいません。
この218のジャケのモデルいいですね~
Love Is Danger初収録の035ときたら…

No title

>わんわんさん
私はその辺は諦めちゃってます(笑)
これはこういうモノだと適当に妥協しちゃいます。


>daさん
>>British~
原曲は哀愁よりも明るさが目立ち、そんな作品を果たしてヒーリングver.に落とし込めるのか
不安だったのですが、そこは親父、きっちり仕上げて来ましたね(笑

新たに付け足したサックスパートも上手く馴染んでいて、懐かしさと新しさ、それぞれ存分に
味わえるアレンジ。
実際に試してみましたがオリジナル、DUBver.、~2005、そして本作の聞き比べもオススメです。
ヴォーカルは同じはずなのにこうも印象が異なるものなのか。今季リリースのアレンジ作品の中でも一番の驚きです。

>ジャケット
大体この手の話題でよく挙がるのはSEBvol.77とかですけど、でもよくよく見返してみると
SEB20~30番台のジャケットもかなり際どいですよね(^^;
でもまぁ最近はキレイどころばかりなので、ああいった暗い、退廃的なジャケも今なら逆に新鮮に思えるような気もしますけどね。
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